終わらないセピア
『ミッちゃんジッとしてて?』
色っぽくそう言われたら体は硬直して
動けない。
髪を耳にかけられ、細くしなやかな
指がピアスに触れる。
たったそれだけなのに、恥ずかしい
くらい鳥肌たってる……
嗚呼……またこの不意打ちにあたしは
踊らされる。
『ちょっと血が出てる……』
『そ、そっか……』
会話するのも一苦労。
つい体が反応してしまう。
ましてや間近で見るモカの吐息を
耳から感じておかしくなりそう。