終わらないセピア



『ミッちゃんジッとしてて?』



色っぽくそう言われたら体は硬直して
動けない。



髪を耳にかけられ、細くしなやかな
指がピアスに触れる。
たったそれだけなのに、恥ずかしい
くらい鳥肌たってる……



嗚呼……またこの不意打ちにあたしは
踊らされる。



『ちょっと血が出てる……』



『そ、そっか……』



会話するのも一苦労。
つい体が反応してしまう。
ましてや間近で見るモカの吐息を
耳から感じておかしくなりそう。








< 63 / 117 >

この作品をシェア

pagetop