黒木健蔵の冒険
「ど田舎から生き馬の目を抜く東京に出て来たが、東大に入った途端に、周りの者の態度が、あからさまに変わった。ばあさまと結婚した時も同じだった。その頃のわしは、自分を見失って、慢心の塊のような醜い人間に落ちていった。それを諫めてくれたのは、他でもない、ばあさまだった」
「…………」
「ばあさまは、今のお前とおんなじ目をしとった。だがのぉ~今の世の中、ばあさまのような、清廉潔白な人間は、中々、おらんのじゃ。だから、わしは、せめて、柚木華製薬に勤めている人間だけでも諫めていきたいと思うのじゃ」
里奈は、健蔵の気持ちを察したのか、さっきより、少し表情が和らいでいた。
「…………」
「ばあさまは、今のお前とおんなじ目をしとった。だがのぉ~今の世の中、ばあさまのような、清廉潔白な人間は、中々、おらんのじゃ。だから、わしは、せめて、柚木華製薬に勤めている人間だけでも諫めていきたいと思うのじゃ」
里奈は、健蔵の気持ちを察したのか、さっきより、少し表情が和らいでいた。