黒木健蔵の冒険
「里奈、確かに、わしのやり方は、褒められたものではないと思う。じゃがのぉ、わしの今の立場では、見えないことが沢山あるのじゃ。見たくても中々、ずる賢い人間の本性は、見えないんじゃよ。地位や名誉や学歴。

そんなものに左右される人間は、ゴマンといる。わしはのぉ、ばあさまと一緒になる前は、そんな人間の1人じゃった」


健蔵は、遠い昔を懐かしむように、ゆっくりと話しだした。


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