キミに送る約束~空に向かって~
「別にそういうことじゃねえよ。
お前はなんで分かってくんねえの?
つうか俺達別れただろ?」
一瞬外から何も聞こえなくなったと思った。
莉那はあたしがいる慧の部屋を
覗き込んであたしが見ているのを
見つけて睨みつけてきた。
あたしは反射的にカーテンに
くるまる。
昔から慧のせいでいろんな女の子に
睨まれ続けてきたもんなあ。
「...慧。あたし諦めないから。
あのブス女と絶対別れさせるから!」
まるであたしに言うように莉那は
走って消えていったらしい。
それからすぐ慧が部屋に戻ってきた。
カーテンにうずくまっているあたしの
頭を軽くポンポンと2回叩いた。
「もう帰ったから大丈夫だよ。」