キミに送る約束~空に向かって~

金髪男とか.....
二股とか.....
バイクの後ろとか.....

意味がわかんない。
だって梓ちゃんの彼氏はただ1人。
神楽慧だったじゃない...。

じゃあ.....梓ちゃんは
最初から慧を.....
裏切っていたの?


─────────...

「心愛っ!」


会場から出ようとしたとき後ろから
聞き覚えのある声がした。


「千尋.....来ていた...の?」

「う.....ん。急に連絡入ってビックリした。
心愛は1人で来たの?」

「う.....ん。車で親にここまで送って
貰っていたんだけどね。」

「そっか。あたしずっと心愛探していたんだけど
見当たらなくて...メール見た?」

「え?あ.....携帯見てなかった。」

「そ.....っか。」

「うん.....。」


所々詰まった会話をするあたしたち。
耳に入ってくる千尋の声も脳まで
届かない気がしていた。


「梓ちゃん.....もう、いないの?」


か細い声で言う千尋。
まっすぐな瞳.....何も言えないあたし。


「...ごめん。こんなこと聞いて。」

「.....あたしたち...何でここに
いるんだろう.....ね?」

「.....ほんと、何でだろうね...。」



何であたしたちは...ここにいるんだろう。
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