Kissしてダーリン[短篇]
結局、その日は敦の家に泊まった。
「いまさら帰すわけねぇだろ?」
って二日連続でお泊り。
「えーっ」
なんて、口では嫌がっていたけど、内心すっごく嬉しかった。
敦の腕に抱かれ、夢の中。
夢の中の私は笑っていたような気がした。
次の日にその笑顔がなくなることなんて微塵も感じさせないように。
「真央、」
「んー……」
敦が私を呼ぶ声。
あと少し…
そんな呪文が私の瞼を開かないでいる。
バコーンッ
「いったあ〜…」
そんな私の頭に激痛。
…なんか嫌な予感。
「起きろ。」
「……はい。」
上から見下ろす彼の顔は、鬼。
「…あと、」
「え?」