鈍感王子にご注意を
「そうだね。」
私はキッチンに行ってフォークと
お皿を2つずつ持ってきた。
誠くんがケーキを出してくれているうちに
私はお茶をいれた。
「よし!じゃー、いただきますっ。」
コップをぶつけてお茶を飲む。
ゴクゴクゴクと良い音を響かせて
誠くんはお茶を飲む。
のどぼとけが動いていて...なんか
やっぱり男の人なんだなーって
あらためて実感する。
少し子供っぽいところもあるけど...
肩幅も私なんかより全然広いし...
背だって高いし...
声だって低いし...私よりも大きい。
優しいし...
「ん?恵美ちゃん食べないの?」
憎めない...。
「食べる、食べるっ♪誠くんのも
もらっちゃおーっと♪」
私は誠くんのモンブランを1口
食べた。
仕方がないのかな.....。
─────
「仕方がなくなーいっ!」
カフェにいるお客さん全員が
私達を見る。
私は周りに頭を何度も下げた。
「れっ玲奈ちゃん。しーっ!」