わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「綾子どうしよう。私、田所に捨てられるかもしれない」
翌日の朝一番、登校して来た綾子を捕まえて泣き付いた。
綾子の席は窓際の列の真ん中辺り。その前の席に後ろ向きで座って見上げれば、そんな私にじっとりした視線を落としながら、綾子は机横のフックに手提げ鞄を引っ掛けた。
そして、綾子も腰を下ろすと、組んだ腕を机の上にのっけてほんの少し身を乗り出した。
「まずは、おはよう」
落ち着いた声で挨拶を催促されて、自分のことだけで一杯いっぱいだったことに嫌でも気付く。
こういうところが『自己中』だと言われるんだ。
今まで散々綾子に指摘されてきたくせに、今頃ようやく理解する。
「おはよう」
「ん……。で? 田所が、何?」