わたしとあなたのありのまま ‥3‥
でも冬以はすぐに視線を逸らした。


私の気持ちを察してくれたのか、それとも目が合ったと思ったのは気のせいだったのか。



ほっと胸を撫で下ろしたのはきっと、私だけじゃない。

隣を見上げれば、田所の横顔にも安堵が微かに滲んでいた。



興奮が一向に冷める気配のない女子軍団の横を、何食わぬ顔で通り過ぎた。



そうして、特に会話もないまま歩いていると、背後から走って来た小ぶりのワンボックスカーが、私たちを追い越してすぐ、左に寄って停車する。



黄色と白のお洒落で可愛らしい車。その中から降り立ち、車の後ろを回り込んで私たちの前に姿を現したのは、冬以だった。


「ほのかお茶に誘ったけど、そう言えば返事まだ聞いてなかったなって思って」


冬以はそう言って、屈託なく笑った。


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