わたしとあなたのありのまま ‥3‥
科学館近くの立体駐車場に車を停めて、歩くこと5分。傘を後ろに傾け、曇天に包まれた銀色の球体を見上げた。
雨の中でも鈍い光を放っているそれを目にして、子どもみたいにワクワクする私って幼稚だ。
チケット売り場は、予想通り長蛇の列。その最後尾に並んで、「楽しみだね」なんて子どもみたいなことを口にして隣の冬以を見た。
私と同じように銀色を見上げている冬以は、何故だか呆然としている。その大きさに圧倒されているのか何なのか。
心ここに在らずで。
その横顔が、今にも消えてしまいそうなぐらいに儚く見えて、胸がぎゅうっと締め付けられた。
「とう……い……?」
戸惑いながらも小さく名を呼んでみたら、ハッと我に返って勢いよくこちらに顔を向けた。