わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「可愛くないっ! ふざけんな! 降ろせって言ってんのに。さっさと車止めてよ」

すっかりいつもの調子で毒を吐き散らせば、

「降ろさない」

冬以はシレっと涼しげに拒否。そして――



「今夜は帰さないよ?」

冬以が真顔で甘く囁いたりするもんだから、思わずブッと吹き出してしまった。



「くっさっ! なんなの? そのオトゲーみたいなベタベタなセリフ。それに『今夜』って……。まだ朝だし。早朝だし」


「ほのか、オトゲーなんかやるの? じゃあ今日はオトゲーっぽい演出、した方がいい?」


「やらないって。てかさ、冬以こそオトゲー知ってんの?」


「知らない」


「じゃ、オトゲーっぽい演出なんか無理じゃん」


「フィーリングだけで、何とかイケるかなって」


「無理無理、イケないって」



バカみたいな会話なのに、なんだか楽しくなって来て。どちらからともなく、二人して笑い声を漏らした。


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