わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「たまには一緒に行こうかと思って」

僅かな時間差でくれた問いへの答えは、至極在りきたりな……というか、当たり前のもの。



「どうしてピンポンしないの?」


並んで歩きながら尋ねてみた。

田所は思い付きだけで行動するところがある。計画性がないというか、先のことを何も考えていないというか……。



「朝からそんなんしたら、迷惑じゃねぇかなって」


「私がもう出た後だったらどうすんの? ずっとここで待ってんの?」


「早めに来たし、ギリギリの時間になったら、諦めて行こうと思ってた」


「ふうん」



私ってば冷たい。

ちょっとだけ遠回りして私の家まで来てくれたのに。しかも朝が苦手な田所が早めに家を出たなんて、奇跡に近いのに。



田所が来てくれたことを喜べない自分が、死ぬほど嫌い。



ほんの少し、気まずい沈黙。もしかしたら気まずいのは私の方だけかもしれないけど。



今思い付いたように、田所が唐突に口を開いた。


「そうそう、ほのかに話したいことがあって、わざわざ来てやったんだった」


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