わたしとあなたのありのまま ‥3‥
近っ! 顔もだけど、身体も……。何から何まで近い。ほぼ密着状態。



「何やってんの? 瀬那くん」

苦情的ニュアンスをたっぷり込めたつもりなのに、瀬那くんはただの問いだと解釈したみたい。


「俺にも見せて?」

そう言って、人懐っこい笑みを見せた。



「押し入れに一杯あるよ? 持って来たら?」

「俺は最新のが読みたいのっ」

「じゃ、これどうぞ。私は古いのでも全然構わないから」

目の前の雑誌を瀬那くんの方へスライドさせて起き上がった。


そうして立ち上がろうとしたら、すかさず腕を掴まれ、

「お気遣いなく」

と、瀬那くんは愛想のいい素敵笑顔で言う。



気なんか遣ってねーよ。近いんだよ、離れたいんだよ。お前こそ、ほんの少しでいいから気ぃ遣えよ。てか気ぃ利かせろってコノヤロー。


喉まで出掛かった本音を無理矢理に呑み込んだ。



不満の嵐を堪えるのに膨大なエネルギーを消費している気がする。

なんだか凄く疲れる。


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