わたしとあなたのありのまま ‥3‥
「ほのか」

呼び止められて振り返れば、綾子が困ったような顔で私を見ていた。



「田所居ないから、私だけ教室戻るね。綾子は照哉くんと、ごゆっくりー」

冗談ぽく言って、再び前に向き直る。そうして、綾子を残して自分だけ教室へ戻った。





放課後、ホームルーム終了と同時に綾子に別れを告げて、当然だけど田所のアパートへと直行した。


ちゃんと謝らないと。気持ちを伝えないと。

手遅れになる前に……。



けれど。

インターホンを押しても、田所は出て来てくれない。


また居留守かな? とも思ったけど、しばらくは大人しく待つことにした。



ドアの横の壁にもたれ掛かって、自分のつまさきをぼんやり眺めた。

踵でトントンと、足元のコンクリートを叩いてみたり。


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