愛を教えて ―番外編―
詳しく聞いた訳ではないが、ジェイクは恵まれた家庭に育った男性に思える。


『プロポーズにママを連れて来そうなタイプね』


同僚にジェイクの印象を聞かれたとき、ソフィはそんなふうに答えた。

ジェイクの軽薄な口調と金髪が、別れた恋人に似ていたせいだ。そしてそれは、ソフィの惹かれやすいタイプでもあった。


(こんなこと、信じられない。これからも、顔を合わせなきゃならないのに……)


なるべく寝室のドアに近づかないようにしながら、ソフィは部屋の中をウロウロしていた。

そして彼女の目に、ジェイクの上着が映る。


(ウォッシュルームでジェイクは何をしているのかしら?)


ジェイクのことを考えたとき、自分の身体に当たった熱い塊のことを思い出していた。しだいにソフィの息が荒くなり、下腹部がムズムズしてくる。

あんなキスは今までしたことがない。

ジェイクにシャツをたくし上げられるのと同時に、ソフィも彼の上着を脱がしていた。

無造作に、ソファの上に投げられただけの上着がある。その事情をドクターにも気づかれたかも知れない。

想像するだけで頬を赤らめるソフィだった。


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