愛を教えて ―番外編―
「そう……だね。じゃ、外で連絡をしよう。父さん、怒ってるだろうな」

「おじ様より、おば様に知られたときのほうが大変よね、きっと」


その言葉に結人はゾッとした。

もし、今、母がこのことを知れば……。


「と、とにかく、早く連絡だけでもしようか」

「無駄に焦らないでね。また繰り返すのはごめんよ」


すでに三浦に対する警戒心は解いていた。

あの老人は最初から結人らを傷つけるつもりはなく、藤原のオーナーを脅かすことが目的だった。

それがわかった以上、父が動く前にこの茶番を終わりにして、誤解を解く必要がある。



「きゃっ!」


そのとき、結人のすぐ後ろを歩いていたはずの美月が悲鳴を上げた。


ハッとして振り返ると、バイクに乗っていたひとりが美月に抱きついている!


「亨、やめんかっ!」


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