愛を教えて ―番外編―
「宗さんは硬い感じじゃないわよねぇ」

「ですね。色々ヤリ過ぎで……なんか、くたびれてる感じです」

「そ、それは言い過ぎなんじゃない?」

「その代わり色々知ってますけどね。私がちょっと違うことをすると、すぐに気がつくし……そういうのに敏感っていうか。慣れてるんだと思います」


雪音の言葉に万里子は大きくため息を吐いた。


「いいわねぇ……。卓巳さんは私がどんなに頑張っても、気づいてくださらないの。なんだか悲しくなるわ。ひょっとしたら、まったく興味がないのかも。それか、一度、宗さんに色々教えていただこうかしら」



そのとき、ガーデンルームに卓巳が飛び込んできた。

彼の後ろには宗の姿も見える。


「冗談じゃないぞ、万里子! そんなこと……僕は絶対に許さない!」


卓巳は声を限りに叫んだ。


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