愛を教えて ―番外編―
酸欠の金魚のような卓巳は無視して、万里子は尋ねた。


「あら? 小太郎くんと仲がよかったんじゃないの?」

「小太郎くんが一番すきなのは、アメリカでくらしているお姉さんなんですって」

「ダ、ダメだ! 宗や太一郎の息子になんぞやれるもんか!」

「じゃあ、恭介くんにする。とってもキレイなお花をくれるから、だいすきなの!」


柊恭介は、戸籍上は他人だが、卓巳にとって血の繋がった従弟だった。


「柊さんのお宅も三人兄弟なのよね……」

「幼稚園のおともだちからえらんでもいいんだけど……子供すぎてわたしのタイプじゃないんだもん」

「まあ、愛実さんはモテモテね」


卓巳の脳裏にはおそらく、ショットガンかライフル……はたまた日本刀が浮かんでいることだろう。

そんな想像にクスクス笑う万里子だった。




                              ~fin~


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