愛を教えて ―番外編―
卓巳が一条と知り合ったとき、彼はすぐに卓巳の抱える秘密に気がついた。
理由は簡単だ。一条自身が同じ悩みを抱えていたからである。女性に対する度を越した潔癖さが、自分自身と共通するものがあったという。
ただ、そうなる原因において、ふたりには大きな違いがあった。
一条は最初の結婚が失敗に終わり、自信を喪失してのこと。だが、彼は女性に対する愛情や憧憬を失ってはいなかった。何より、一条はセックスに歓びがあることを知っていた。
それらを知る前に失った卓巳との差は大きい。
黙り込む卓巳の肩を叩きながら、一条は励ましを口にする。
「そう言うな。惚れた女を前にすれば、状況は変わってくるさ」
「僕は、一条先生とは状況が違いますよ」
「諦めの早い奴だな。チャレンジしたことはあるのか?」
「ダメだったときは取り返しがつきません」
「お前……まだ、美馬のことを怒ってるのか?」
「……」
(――聞きたくない名だ)
卓巳は顔を顰め、ブランデーを一気に呷った。
理由は簡単だ。一条自身が同じ悩みを抱えていたからである。女性に対する度を越した潔癖さが、自分自身と共通するものがあったという。
ただ、そうなる原因において、ふたりには大きな違いがあった。
一条は最初の結婚が失敗に終わり、自信を喪失してのこと。だが、彼は女性に対する愛情や憧憬を失ってはいなかった。何より、一条はセックスに歓びがあることを知っていた。
それらを知る前に失った卓巳との差は大きい。
黙り込む卓巳の肩を叩きながら、一条は励ましを口にする。
「そう言うな。惚れた女を前にすれば、状況は変わってくるさ」
「僕は、一条先生とは状況が違いますよ」
「諦めの早い奴だな。チャレンジしたことはあるのか?」
「ダメだったときは取り返しがつきません」
「お前……まだ、美馬のことを怒ってるのか?」
「……」
(――聞きたくない名だ)
卓巳は顔を顰め、ブランデーを一気に呷った。