愛を教えて ―番外編―
同じ大学に通う学生の中に美馬藤臣(みまふじおみ)という男がいた。
年齢は同じだが、学部が違い、学年も向こうがひとつ上だ。美馬グループと呼ばれる藤原と同じタイプの財閥系複合企業の御曹子で、見かける度に違う女性を連れているような男だった。
彼は、卓巳が藤原グループの直系嫡男であることを知っていた。それにもかかわらず、奨学金を受けて大学に通う卓巳を、なぜか目の敵にしてくれた。
卓巳が初めて女性に対する関心を持ち、ホテルに連れ込んで玉砕した相手を、それを承知で横から掠め取ったのだ。
しかも、その女性から寝物語で聞いた卓巳の醜態を、美馬は大学中に広めた。卓巳の傷口に塩を塗り、立ち直れないほどの深手にしてくれた張本人と言えよう。
数年後、彼は美馬グループ社長が愛人に産ませた子で認知すらされておらず、養子の立場で美馬姓を名乗っていたことを知る。血筋の問題でいうなら、卓巳とは真逆の立場だった。
そして美馬も卓巳以上の年月を、児童養護施設で育ったことを知り……。
だが、そのときにはすでに卓巳は今の立場を手に入れ、美馬とは社名を背負い、相対していた。
年齢は同じだが、学部が違い、学年も向こうがひとつ上だ。美馬グループと呼ばれる藤原と同じタイプの財閥系複合企業の御曹子で、見かける度に違う女性を連れているような男だった。
彼は、卓巳が藤原グループの直系嫡男であることを知っていた。それにもかかわらず、奨学金を受けて大学に通う卓巳を、なぜか目の敵にしてくれた。
卓巳が初めて女性に対する関心を持ち、ホテルに連れ込んで玉砕した相手を、それを承知で横から掠め取ったのだ。
しかも、その女性から寝物語で聞いた卓巳の醜態を、美馬は大学中に広めた。卓巳の傷口に塩を塗り、立ち直れないほどの深手にしてくれた張本人と言えよう。
数年後、彼は美馬グループ社長が愛人に産ませた子で認知すらされておらず、養子の立場で美馬姓を名乗っていたことを知る。血筋の問題でいうなら、卓巳とは真逆の立場だった。
そして美馬も卓巳以上の年月を、児童養護施設で育ったことを知り……。
だが、そのときにはすでに卓巳は今の立場を手に入れ、美馬とは社名を背負い、相対していた。