虹色マテリアル
まるでわたしたちには見えないなにかを彼はじっと見つめているようだ。


「それじゃ、席は適当に空いてるとこ座ってくれ。みんな、仲良くするんだぞ」


なんて、ぼんやりと頭を巡らせる由良を他所に担任の話は進んでいたようだ。

白木修は皆の視線のもと、ぺこりと一度頭を下げ、由良から調度斜め前にある空席に腰を下ろした。


「よろしくなー」
「よろしくう!!」


と、早速隣りや近くの席に座る生徒たちが円を描くように猫背になり彼を囲んだ。


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