虹色マテリアル
それにやはり柔らかい声で答える彼の表情までは由良には見えなかったが、やはりあの不自然な笑みを浮かべているのだろうか。


由良は初めて顔を見たような彼への妙な胸の引っ掛かりに悩まされながら、朝のHRを終えた。


はずだったのだが。


「えーと今日の日直は……浅川か。悪いが、このあと職員室まで来てくれ」

「えっうそ」

突然の呼び出し(普段は日直なんて名ばかりで仕事は黒板消しくらい)にあからさまに眉間にシワを寄せ声をあげてしまった。


「由良どんまーい」
「浅川ついてねーな」

いかにもため息を吐き出しそうな顔で担任と並び教室を出る由良にクラスメイトは笑いながら手を降る。



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