虹色マテリアル
「プリント」
「ん?」

突然の修の呟きに由良はキョトンと目を開く。

「それ、重くない?」
「え? あぁ、大丈夫だよー全然」

が、下を向けば差し出された手があり、その意味を理解する。

平気、平気と断りながら、気を遣ってくれたんだ、なんか少し意外だったなと由良は感心するように思った。


「それよりどうしたの? こんなところで」
「うん、ちょっと道に迷って」
「やっぱり」

今度は想像通りの言葉だ、と由良は言葉を続ける。

「どこに行きたいの? まだ時間あるし案内するよ」
「いいの?」
「うん」


ポカンとした顔を浮かべた白木の様子に迷惑だった? と不安になる由良だったが。


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