愛を教えて ―背徳の秘書―
「朝美の妊娠は嘘だ。君と別れたくて……彼女の計画に乗った。彼女は君をライバル視していて、本社の秘書室から移動させたかったらしい」
宗の言葉に、香織は一気に酔いが醒めた様子だ。
「何ソレ? 私と別れるために彼女の計画にって……それは彼女に捕まるってことじゃない!」
「……惚れた女がいる。本気で結婚したいと思ってる。だから」
「この女なのね? やっぱり若い女が」
雪音の写った写真を一枚手に取り、香織は宗の鼻先に突きつけた。
「歳は関係ないんだ!」
宗は香織を押し退けると、その場に正座し頭を下げる。
「頼む。もうカンベンしてくれ。どう言われても、これ以上は抱けないし抱きたくないんだ。正規雇用の仕事先は必ず見つける。だから、俺と別れてくれ! ……頼む」
聞こえのよい言葉も、気の利いた台詞も出て来ない。男としての自尊心も捨て、虚勢すら張れないみっともなさである。
あまりに無様な宗の態度に、香織は開いた口が塞がらず……彼女は完全に、素面に戻ってしまうのだった。
宗の言葉に、香織は一気に酔いが醒めた様子だ。
「何ソレ? 私と別れるために彼女の計画にって……それは彼女に捕まるってことじゃない!」
「……惚れた女がいる。本気で結婚したいと思ってる。だから」
「この女なのね? やっぱり若い女が」
雪音の写った写真を一枚手に取り、香織は宗の鼻先に突きつけた。
「歳は関係ないんだ!」
宗は香織を押し退けると、その場に正座し頭を下げる。
「頼む。もうカンベンしてくれ。どう言われても、これ以上は抱けないし抱きたくないんだ。正規雇用の仕事先は必ず見つける。だから、俺と別れてくれ! ……頼む」
聞こえのよい言葉も、気の利いた台詞も出て来ない。男としての自尊心も捨て、虚勢すら張れないみっともなさである。
あまりに無様な宗の態度に、香織は開いた口が塞がらず……彼女は完全に、素面に戻ってしまうのだった。