お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
でもたった一つー…
いや二つか。
ここにあいつ等がいない。
恭史郎…そして萌。
二人の顔を思い浮かべると少しだけ心が痛んだ。
でも、
…あんな酷いことを言ったんだ。
来なくて当たり前だ。
わかっているのに不意に姿を探してしまう自分に嫌気がさす。
もうあいつ等は俺のことなんか嫌いだ。
恭史郎も萌も俺に失望したに違いない。
それは俺が望んだこと。
いい加減俺もあきらめなくてはならないのに…。
別れを惜しむかのようなみんなの言葉に答えながら
遠くの搭乗口の電光掲示板を見る。
出発まであと1時間半。