イケメン殿様と平凡少女
無我夢中で走った。
自分がどこに
向かってるのかも
わからずに。
頭の中に浮かんでは
必死に消す1つの仮説。
そんなはずない
そんなはずない
そんなはずない
きっともうすぐ
ちゃんと舗装された
道が見えてきて
1日3本とかしか
出ていない田舎のバスに
乗ることができて
普通しか止まらないような
古い駅に着いて
電車で最寄りの駅まで
帰れるんだ。
絶対帰れるんだ。
だってまさかあたしが
タイムスリップして
しまったなんて…
そんなはずはない。
「おい!待て!」
「っ!?」