イケメン殿様と平凡少女
わああぁぁぁぁ…
少し開けた場所に出ると
そこでは馬に乗って
甲冑を着てる人、
槍のような物を持って
地面を走り回っている人、
いわゆる"武士"のような
人々が"戦"をしていた。
萌絵は当然こんなもの
ドラマや漫画でしか
見たことがない。
ここで彼女の頭に
今まで引っ掛かっていた
ことが次々と浮かんでは
パズルのピースのように
組あわさっていく。
妙に古い作りの家
道路も何もない一面の畑
電波は圏外
そして今目の前で
起こっている戦…
「ぐあっ」
「うっ!助けてくれ…」
「問答無用!」
突き刺された槍
鮮やかな赤色
ぐったりする体…
「や…やだっ!」