永遠花火

第二章

……あれから3週間の月日が経った。
もうすぐ夏休みだ…目が見えなくなる前の夏休みは海を見に行ったっけ……すごくキレイだったなぁ…。
まぁ、あたしにはもう見ることはできないんだろうけどさ……。
あたしが夏休みをどう過ごそうか…と考えていると……点字つきの一枚のプリントが配られた。
“花火大会”1週間後、月山国光中が所有する場所でやるらしい。
“花火”かぁ…大好きだったなぁ…。
赤や青、緑や紫…色とりどり大空に咲く、夜の華……。
もう見ることはできないけど行くだけなら行っても…良いかな…。
この想いは篤志に伝えてはいけないと、頭では分かってはいても…どうしても、伝えたくなった。
1度、きっかけが欲しかったんだ。…これが最初で最後。あたしが自分自身に与えるチャンス…。
篤志を誘って『OK』がでたら……、この日、篤志に告白する。ダメなら、いさぎよく諦める…。
ちょっとずつ、ちょっとずつでも……、篤志のこと忘れる努力ができる。
でも…もし、もしも……。
やめよう…夢みたいな事考えるのは…。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop