FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
ズダアアアアン……。
ヴァジュラの手は、地面にめり込んだ。
アスファルトが砕かれ、下にある土とともに飛び散った。
「これで終わりだ……」
ヴァジュラがニイッと笑う。
しかし次の瞬間にはサッと手を引き、ユラユラ揺らめきながら後方に移動した。
視線の先に、ゆっくりと起き上がる聖の姿があったのだ。
僅かに気だるさを残しながらも、特に痛みも感じず、聖は起き上がった。
「……みんな?」
寝惚けているかのようなはっきりしない頭で辺りを見回す。
「……え……?」
何も感じない。
仲間達の気配をまったく感じない事に焦りを感じ、意識を集中させて皆を探す。
ふと、ある場所で目が止まった。
押しつぶされて粉々になった木々の中に倒れている十夜。
「十夜!」
急いで駆けつけるが、血塗れのその姿を確認する前に、もう魂が飛んでしまっていることは分かっていた。
ヴァジュラの手に押しつぶされる直前に、聖だけを結界の外に放り出し、息絶えた十夜。
「十夜っ……真吏……真吏っ!?」
十夜の周りを探すが、真吏の姿を見つけることは出来なかった。力を貸してくれていた羅刹王ジャクラの気配も同じく、感じることが出来ない。
ヴァジュラの手は、地面にめり込んだ。
アスファルトが砕かれ、下にある土とともに飛び散った。
「これで終わりだ……」
ヴァジュラがニイッと笑う。
しかし次の瞬間にはサッと手を引き、ユラユラ揺らめきながら後方に移動した。
視線の先に、ゆっくりと起き上がる聖の姿があったのだ。
僅かに気だるさを残しながらも、特に痛みも感じず、聖は起き上がった。
「……みんな?」
寝惚けているかのようなはっきりしない頭で辺りを見回す。
「……え……?」
何も感じない。
仲間達の気配をまったく感じない事に焦りを感じ、意識を集中させて皆を探す。
ふと、ある場所で目が止まった。
押しつぶされて粉々になった木々の中に倒れている十夜。
「十夜!」
急いで駆けつけるが、血塗れのその姿を確認する前に、もう魂が飛んでしまっていることは分かっていた。
ヴァジュラの手に押しつぶされる直前に、聖だけを結界の外に放り出し、息絶えた十夜。
「十夜っ……真吏……真吏っ!?」
十夜の周りを探すが、真吏の姿を見つけることは出来なかった。力を貸してくれていた羅刹王ジャクラの気配も同じく、感じることが出来ない。