FORTUNE~フォーチュンシリーズPAGE1
「ひ……聖、くん?」
ふいに、別方向から声がした。
「李苑!?」
すぐ傍に李苑がいた。そういえば先程紅葉が李苑を呼んだのだということを思い出す。
「……吉祥天ラクシュミー」
少女の目が李苑を捉える。
「貴様もここで死ね」
剣を交差させ、口元に笑みを浮かべる少女。
聖はとっさに李苑の前に立ちふさがり、襲ってくる少女の剣から護る態勢をつくった。
「聖くん、これって……」
後ろで李苑が困惑の声を上げる。しかし、説明しようにも言葉がうまくまとまらないし、そんな状況でもない。
「いいから逃げろ!」
今言えることはそれだけだった。
もしあれがファリアだとしても、ヴァジュラに操られているのだから安全な相手でないことは確かなのだ。
李苑は事態が尋常ではないことを察知した。しかし、このまま一人で逃げてもいいものか迷い、数歩後ずさりすることしか出来なかった。
「逃がさないよ。夢幻球!」
少女の手から緋色の玉が飛び出し、聖たちを取り囲んだ。途端に体が動かなくなる。
「なっ……」
指の一本も動かせない。あの玉には幻惑だけでなく、こんな力まであるなんて。
「さあ、覚悟しな!」
少女が突進してくる。
ふいに、別方向から声がした。
「李苑!?」
すぐ傍に李苑がいた。そういえば先程紅葉が李苑を呼んだのだということを思い出す。
「……吉祥天ラクシュミー」
少女の目が李苑を捉える。
「貴様もここで死ね」
剣を交差させ、口元に笑みを浮かべる少女。
聖はとっさに李苑の前に立ちふさがり、襲ってくる少女の剣から護る態勢をつくった。
「聖くん、これって……」
後ろで李苑が困惑の声を上げる。しかし、説明しようにも言葉がうまくまとまらないし、そんな状況でもない。
「いいから逃げろ!」
今言えることはそれだけだった。
もしあれがファリアだとしても、ヴァジュラに操られているのだから安全な相手でないことは確かなのだ。
李苑は事態が尋常ではないことを察知した。しかし、このまま一人で逃げてもいいものか迷い、数歩後ずさりすることしか出来なかった。
「逃がさないよ。夢幻球!」
少女の手から緋色の玉が飛び出し、聖たちを取り囲んだ。途端に体が動かなくなる。
「なっ……」
指の一本も動かせない。あの玉には幻惑だけでなく、こんな力まであるなんて。
「さあ、覚悟しな!」
少女が突進してくる。