平凡太~ヘイボンタ~の恋
「パパー!おかえりっ」


「ただいま、詞音」


「しおんね、いい子に待ってたよっ」


「じゃあコレ、お土産。イチゴ、たくさん買ってきたよ」


「うわぁ!しおん、イチゴ、好きっ」


「平…友詞、ありがとう。ごめんね、行ったり来たりさせてしまって。辻野さんとは…話、できたの…?」


ボクは首を振る。


一華先輩を不安にはさせたくなかったけど、狂気だけの栞は何をやらかすかわからない。


「栞に気をつけて。何かあったらすぐにボクに知らせてください」


「うん…」


「ママー、イチゴ、イチゴ!」


「うん。みんなで食べよっか!」


イチゴを頬張る詞音ちゃんを見て、気持ちが浄化されたような気になる。


何も片付いちゃいないけど、ボクは“今”この時を。


ただ大事にしたくて。


「すっぱい、あまーい!」


と、笑顔をこぼす詞音ちゃんが。


愛しい。


ドロにのみれたボクとは正反対な無垢さが眩しかった。
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