期限付きの恋~あなたと私に残された時間~




…ってなんで私、会って間もない人に自己紹介なんかしてるんだろ。



そう思っていると、この人…海陽くんはそれを察したのか、また話しかけてきた。



「って、突然しゃべりかけられても困るよな。
ごめん…」


そう言った海陽くんを見ると、思ったよりもシュンっとしてて私は焦った。


なんか、私が悪いことをしたみたいじゃない。


そう思って、私は彼に声をかけた。


「もういいって。
別にびっくりしただけで、困ってる訳じゃないから。」



…うん、半分嘘。


確かに話しかけられたことに対して、困っている訳ではない。


ただ、あまり人と接してこなかったから、何を話していいか分からないだけで。


それに女の子だったらまだ大丈夫なんだけど…


男の子なんて最後にいつしゃべったか思い出せないぐらい。



…まぁ、入院生活が長かったから当たり前なんだけど。


他の入院してた子とも、あまり話そうとはしなかったしね。




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