先生と執事【続・短編】
どうしようかな、もうそろそろ幸穂も起きちゃうだろうし…。
とりあえず服着て、もう一度だけ先生を起こして、その後にご飯だけ作ってしまおうか。
自分の下着や服を着ようと思い周りを見渡す。
が、下着はあるものの服が散乱しすぎて何処に何があるかが解らない。
「くぅっ………。」
この忙しい朝に一枚一枚服を探すのは時間が惜しい。
背に腹はかえられないか、仕方ない…。
直ぐ近くに落ちていた下着を身に着け、その上に私には大きすぎるティーシャツを着る。
これなら何とか下着も隠れるし、後はエプロンでもしておけば子供達にはワンピース位には見えるだろう。
先生、服を少し拝借致しますね。
「よし、とりあえず服は良しとして…。」
朝御飯を作りに台所へ向かう前に、もう一度だけ布団を顔の半分位まで被り、とても幸せそうに眠る先生の顔を覗き込む。
「先生、起きて下さいよ。学校に遅れちゃいますよ。」
「…………スー…スー…。」
まぁそうですよね、そうなると思いましたよ。
これは声だけじゃ無理だと感じ、先生の肩に手を置き身体を優しく揺すってみる。
「せーんせっ!!もう起こしませんよ?遅刻しますよ?」
「んん――………。」
おかしい、いつもはここまで寝起き悪くないのに!!!
もうっ次の日が休日じゃないのにあんなことするからこうなるんでしょう!!
「雄揮、いい加減起きなさい!!遅刻するって言ってるでしょっっ!!」