君に、この声を。
「怜っ! そんな事、後輩の前で言わなくていいじゃんっ」
「今のうちに知っといたほうが、後々絶望されなくてすむだろ」
「そーゆー問題じゃなくて!」
「うーるーさーいーっ」
私と怜(れい)の言い争いを崎田先生がとめた。
女の子なら誰でも欲しがる二重のくりっくりの目と、女の私よりも華奢なんじゃないかってくらいの体格。
華奢とは言っても、ちゃんと程よく筋肉がついてるし、一応バスケもうまいらしい。
「君達今年で何年生ですかー。最高学年でしょー」
崎田先生があきれたように言った。
先生だからってきどっていない崎田先生。
崎田先生のそういうところが好きだ。
「すみませんー」
私の声と怜の声が重なった。