君に、この声を。
「あのなぁ、もうちょっと緊張感というものが持てんのか?」
「せんせー。新学期早々シビアな話はやめましょーよ」
目の前で、怜が何の緊張感も持たずに言った。
今の今まで息を切らしていたくせに、もう息切れなんかしていなかった。
さすが、バスケ部のエース。
「今しなくていつするんだ、沢川。今しなかったら来年の冬、泣くのはお前だぞ」
「わかりましたぁ。それよりもさ、ここの席って誰なんすか?」
怜は、羞恥心という言葉を知らない。
恐れる事もせずに先生へと言葉をなげかける。
「城山の隣はだなぁ……」
先生も先生で、今までの受験モードから一変、もう一度座席表を眺め始めた。