君に、この声を。
「俺と一緒で新学期早々遅刻かぁ?」
「怜ほどバカなヤツはいねぇから、違うだろ」
「それってどーゆーことだよー。あ、わかった。転校生じゃね?」
怜が斜め前の席の男子と冗談半分で楽しそうに会話をし始めたとき、先生が「正解だ」とつぶやいた。
「は?」
「そこの席は、転校生だ。そうそう。忘れていたよ、すまんな」
今度は、先生の「転校生」という言葉にみんなが反応した。
「男子? 女子?」「女子のかわいい子きてほしー」「やっぱイケメンでしょー」
受験生やら転校生やらで反応するうちのクラスは熱帯のジャングルか。
ま、担任が転校生の存在を忘れる時点でどうかしちゃってるけどね。