君に、この声を。



小学校3年生の教室と化した中学校3年生の教室に、静寂が訪れる。


さっき、怜が入ってきた扉が、静かに開かれた。

謎の転校生の全身が教室に入ったとき、私は自分の目を疑った。



「じゃ、自己紹介をよろしく」



先生が教室の隅に移動し、教卓には無表情の彼1人。


その彼が、無表情のまま、ゆっくり深呼吸をし、口をあけた。





「大葉奏太です」





この透き通る声――。




奏太だ。


あの、奏太だ。



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