君に、この声を。
「東京の緒賀中から転校してきました。よろしくお願いします」
ぼーっとしていたら、教室中からパラパラと拍手が鳴った。
「かっこいい……」
隣から、るなのとても小さな声が聞こえた。
教室中を見回してみると、女子はほとんど(男子もだけど)奏太にくぎ付け。
――あ、そうか。
奏太が通っていたのは私立の小学校だから、家が近くで親の仲がよかった私ぐらいしか奏太の存在を知らないんだ。
「じゃ、大葉はあのあいている席――城山の隣な」
先生がそう言うと、奏太はやっぱり無表情のまま、私の隣の席へ向かって歩き出した。