君に、この声を。
頭を大きなかたいハンマーで殴られたような感覚だった。
――今の、聞き間違い?
いや、かろうじて耳だけはいい私に限って、そんなことは有り得ないだろう。
現実を素直に受け止められない。
「え、そーなの?」
怜の、どこか空気ぬけした声。
あんな鈍感な怜でさえも、びっくりしている証拠だった。
「たぶん、な。少なくとも俺は――」
「ウソでしょ奏太」
ガタッと音を鳴らして立ち上がった。
「ウソ? 何言って――」
「だって、奏太だもん! その声も、その顔も、全部――私の幼なじみの奏太じゃん!」