Sieru~愛犬と愛しの先輩~
谷川の声じゃない…
変な汗が流れた
怖い、ヤンキーに目つけられるとか―……
「あれっ、シカト?」
それでもヤンキーはまだあたしに話しかけてる
咄嗟に怜衣の手をギュッと握った
それに気づいたのか怜衣も強く、握り返してくれた
…あたしに向かっての笑い声が聞こえる
谷川はわざと
「今井、先輩が呼んでるぞー」
なんて笑いながら言ってくる
あたしはアンタみたいに軽くないから、そういった人達は苦手なのー!
怜衣がとうとう振り向いてしまった
硬直していたあたしもついに振り向いた
「あっ、こっち見たぜ」
と言っても目線は地面
気になるけどやっぱり怖いからね