太陽と君

苦い出会い



アタシの名前ゎ斎藤 真波(さいとう まなみ)


どこにでもある普通の名前…


誰でも簡単に読めてしまう名前…


「もっと可愛い名前がよかったなぁ」


普通だからこそアタシゎこの名前が大っ嫌いだった


小学生の頃の話だ…


アタシの周りにゎ沢山の今時のお洒落な


名前の友達が溢れていた


「今日、麻里那の家行っていーぃ?」


「いいょぉ、夏蓮誰か誘って来てー」


「りょーかい」


……


アタシだけ普通の名前。


自分の名前が恥ずかしい


そんなことさえ思ったりしていた


友達みたいにお洒落な名前をつけて欲しかった……


アタシゎお洒落な名前の友達が


羨ましくて仕方なかったのだ…


だから中学に上がって3年生になった時


男子の名前にさえ惹かれた…


「ヤバぁ、超格好いい…この名前格好よくない?」


「そぉ?颯人なんてどこにでもいるよw」


「いやいや、なかなかいないって…」


その男の子の名前ゎ


鬼澤 颯人(おにざわ はやと)


今思えばはやとなんて名前そこら辺に沢山いる…


でもなぜかその時ゎこの颯人に惹かれたのだ……


颯人ゎ1コ下の後輩だった


それまで同学年にさえ一度も興味を持てなかった


アタシゎなぜかこの子にだけ興味を持った…


逆に言えば同学年にカッコいい名前が


いなかったのかもしれない


「神様ありがとぅ…」


アタシゎ勝手にこれを運命と決めつけていた


たった1ヶ月の間にアドと電話番号まで手に入れた…


2日に1回の勢いでMAILをしまくっていた


毎日が楽しかった…


空ゎ相変わらずどんよりと曇っていたのに


なぜかアタシの心の中でゎ太陽が輝いていた…


アタシゎこれで灰色の日々から


抜け出せると思っていたのだ…








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