好きになっても、いいですか?

「お父さん。ごめんね。ちょっと用事入っちゃった」
「おお、今度こそデートか?」
「バカ!それより、このお花。本当は誰がくれたものなの?まさか、本当に女の人なんじゃ……」
「気になるか?」


意味ありげな笑みでそういう父に、麻子は思い切り誤解をしてしまう。


「まっ!まさか、本当に?!誰?どこで知り合ったの?!」
「ちょ、待て待て!そうじゃない!」


病人にも関わらず、麻子が力づくで詰め寄ろうとしたものだから、父も焦って麻子を止めた。


「そうじゃないって……じゃあ、誰?」
「……お前のよく知る人だ」
「私の?」


そう言われても、やはりすぐに思いつく人物などいなくて。
麻子は首を傾げたまま、不審そうな目を父に向けていた。


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