囚われの姫
「ティアラ様、申し訳ないのですが。
我々と共に来ていただけませんか…?」
「ええ…もちろんです。」
ティアラの声はもう震えてはいなかった。
むしろ彼女のそれは凛としていて。
「私に、手枷と足枷をはめていただけませんか。」
ティアラはほっそりとした彼女の両腕をオルガーの前に差し出した。
オルガーをひたと見つめる、この国では見ることのない紫色の瞳。
「オルガー!
ティアラ様をそんなにじっと見るなよ!」
痺れを切らしたらしいアルクは、意を決したように枷を掴みティアラに近づく。