囚われの姫



「ティアラ様は俺が運ぶ。


オルガーが抱き上げたら華奢なティアラ様が潰れてしまうからな…。」





ガチャリ…と重たい音を響かせ、枷はティアラの手と足の自由を戒めた。




「心外だな。

……嫉妬深い男は嫌われるぞ?」




軽口を叩くオルガーだが、枷をはめられたティアラの姿に表情を曇らせるのに時間はかからなかった。





「ティアラ様をゼナの離宮にお連れいたすのが我々の役目。

…あなたが極悪非道な者ならば、こんな苦しい気持ちにはならなかったのでしょうな……。


お許し下さい…。

私はあなたの事を悪女だと、今日会うときまで聞かされていたのです……。」



うなだれたようにオルガーはティアラの足元に膝まづいた。




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