囚われの姫
ぼうっとする頭に身体中は軋むような痛み。
もう長い間歩かされていて足元はふらつくばかり。
それでもティアラの脇を抑える兵士たちは休むことを許してくれなかった。
ティアラは朝早くから罪人が運ばれるときに使われる粗末な馬車に押し込められ、ゼナの離宮へと足を踏み入れたのだ。
だが、その馬車は乗り心地を考慮されているはずもなく、手と足は枷がはめられバランスが取れず。
ゼナへの道のりが整備されていないことが手伝い、一日中馬車に閉じ込められていたティアラの体は離宮に着いた頃には疲れきっていた。