囚われの姫



「ティアラ様、おはようございます。

よくお眠りになられましたか?」



再び盆を持ち…扉を開けたアルクの目線の先には、質素なドレスを身に纏った少女が立っていた。



「アルク様、おはようございます」


少女が丁寧に頭を下げると淡い金色の髪がさらりと下に流れる。



その少女には…明かに罪人という言葉は似つかわしい。



「いつもいつも…朝食を運んでくださって…ありがとうございます」


申し訳なさそうに俯く少女に、アルクは慌てて首を振った。



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