囚われの姫
「…申し訳ありません」
ティアラが言い出したら引かない性格だと気づいてから、アルクは素直にソファーに座るようにしていた。
そういう点、ティアラは頑固だったのだ。
「謝らないでくださいな」
朗らかに微笑むティアラにアルクは自分の頬が赤くなってはいないかと不安で。
そういえば…と新たな話題を持ち出した。
「…マリア様とアリア様のお誕生日がもうすぐですね」
マリアとアリアは双子の姫。
ティアラとは腹違いの姉妹だった。
「…そうですね……。2人にプレゼントも…何も用意できなくて申し訳ありませんと…お伝えしてくださいませんか?」