囚われの姫








「ティアラっ!」




その瞬間、酷く慌てた声と共に固い筋肉質な腕がティアラを抱き留めた。



衣服越しに伝わる温かい体温は彼女の心を落ち着ける。




「…すまなかった。

マクサスの言う通り、まだ…ここに呼ぶべきではなかった。


いい子だから…深く息を吸うんだ。」




低く耳に心地好いその声にしたがって息を吸うのだが、一度乱れた呼吸はなかなか戻らない。




「…セロクたちを牢に戻せ。

姫を退出させる。」




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