家政婦のメイド派遣します!
彼は、ずらりと並ぶ30近く有る制服のリストの上の方を差し示す。

確かに普通の客ならそれで全然構わないはずである。

「えぇ……でも、こないだ試しにどんな制服が良かったかと聞いてみたら服の形は勿論、着てきた日にちまで正確に話してくれましたよ。」

「マニアを侮っちゃいけません。その道のプロですから。」

メイドの女性スタッフ達から口々にダメだしが出る。

元々コスプレ好きが高じて家政婦メイドのスタッフになった人間も多々いる会社なのでこういった事には鋭い突っ込みが入る。

「いっそ、メイド服というくくりをぶち抜いて猫耳とか…ナースとか?」

「でも、お掃除作業がしづらいのは駄目でしょう?」

彼女たちの議論がだんだん白熱してきた。

桃子も何か良い案がないかと考え込んでいると後ろから『ぽんっ』と肩をたたかれた。

振り向くと何時部屋に入ってきたのか副社長の直樹がいた。
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