家政婦のメイド派遣します!
顧客は主に30代から50代の男性だが3割は女性の顧客もいた。

利用理由は大体が興味というものから入っての電話が多い。

年上の女性に訪問されて部屋の掃除や買い出しなどの頼みごとをするのが苦手な
若者にとっては自分と目線が同じの同世代の女性と接する方が気安いのだ。

「最近は、何かあったのか?」

直樹は書類を見ていくうちに問い合わせの件数のグラフの伸び率の割に最近の派遣件数があまり伸びていない事に気がついた。

「最近はテレビなんかにも家政婦が取り上げられているから問い合わせの件数は凄く多いのだけれど、電話の際にこちらの人員が足りなくてお断りする事が多いのよ。」

「なに? メイドサービス好調みたいだね。」

電話が終わった祐樹が話に加わる。

直樹の手元の書類に目を向けると納得したように桃子を見た。

「増員のお願いかい?」

「流石、祐樹さん。話が早いな。」

桃子が意図が伝わって嬉しくなり、にっこりと笑う。

直樹はそれを見て無言で紅茶をすすると椅子から立ち上がった。

「ちぇ、じゃあ俺がそれを手配してくるから後は2人でごゆっくり。」

桃子が立ち上がってあっけにとられている間に、直樹はスタスタと社長室を出ていってしまった。

「え……打ち合わせじゃなかったの?」

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